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西部校

西部校【30期|前期課程】これであなたも石見神楽通!~石見神楽を支える人々~(現地学習)

掲載日 : 2021-12-13
11月30日に事前学習として、石見神楽の成り立ちや歴史、現代における位置づけなどを学びました。現地学習では、石見神楽を支える人たちにスポットを当て、活動の様子や思いを聞いたり、現場を見せていただきました。
午前中は、社会福祉法人いわみ福祉会が運営する『神楽ショップくわの木』へお邪魔し、蛇胴や衣装の制作現場で、実際の作業を見学させていただきました。
最初に所長の唐澤俊彦氏からいわみ福祉会の事業所全体のお話をしていただきました。続いて、技能主任の後藤恭司氏から、神楽ショップくわの木の立ち上げから現在までの経緯などを伺いました。
障がいのある方と地域の方が一緒になって、細かい作業を分担し、多くの行程を経て一つ一つの衣装や道具作りに取り組んでおられ、このように「分業」することで制作期間が短縮されるメリットもあるそうです。ここに至るまでたくさんのご苦労があったというお話も伺いました。いわみ福祉会では制作活動をとおして「協働・共働」を実現しておられます。
午後は、座学を行い、おふたりの活動者から講義をしていただきました。おふたりとも幼少期から神楽に触れ、舞手でもあり神楽の伝承に力を注いでいらっしゃいます。
石見神楽面の職人である小林泰三氏からは、丁寧な技法による制作活動のほか、神楽の魅力を伝える取り組みについて伺いました。
また、浜田商業高校教頭の布施武司氏からは、浜田商業高校郷土芸能部発足の経緯や、指導者としての思いなどを伺いました。
浜田商業高校は発足以来、全国高等学校総合文化祭全国大会の常連校となっています。
学園生からは、「陰のご苦労を感じた」「もっと聞きたかった」「すばらしい」という感想がありました。

観光資源としての、分かりやすいインパクトのある神楽もありつつ、一方で神楽の起源や元々の意味、込められた思い、祈りなど、伝統文化としての神楽もあり、現在そして未来へつないでいくために神楽はどうあるべきか、考えさせられる講義でした。
多くの人にとって石見神楽との接点は“観ること”がほとんどですが、その石見神楽の担い手や支えている人たちの思いに触れ、石見神楽を観る“視点”が変わったように思います。次回は『振り返り講義』です。

(1)今回の現地学習では、「石見神楽を支える人たち」にスポットを当てました

(2)石見神楽の衣装は時代とともに豪華絢爛なものになりました。よく見ると「鋭い目」の表情も観る人を惹きつけます。

(3)蛇胴作りも、いくつもの工程を手作業により進められています。

(4)神楽面は石見産の粘土や和紙、古文紙の再利用などにより制作されています。

(5)布施先生からは、部活動としての神楽の魅力や石見神楽の構成「道」と「型」についてもお話を伺いました。