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卒業生の活動

東部校くにびきエコクラブ「エシカル(倫理的)消費について学ぶ」

掲載日 : 2021-09-22
処暑を過ぎても秋風にはまだ遠い8月末の30日、くにびきエコクラブでは会員勉強会(明日を拓く勉強会)を
いきいきプラザ研修室で開催しました。
今回のテーマは「SDGs(持続可能な開発目標)とエシカル消費」。島根県消費者センターの空岡航平さんを講師にお迎えし、
会員28名が聴講しました。
「倫理的な」という意味の英語 ethical (エシカル)は、世界で近年、 ”環境や社会に配慮している”という新しい意味付けで
広く使われるようになった言葉で、エシカル消費のほか、エシカルファッション、エシカル金融、エシカルビジネスなど、
エシカルを冠した新語が次々と生まれています。
その背景には、世界的重要課題の地球環境、飢餓・貧困、人権問題に対する取り組みとして、こうした問題を引き起こさない ”倫理的な” 企業活動、消費行動を行おうという運動の高まりがあります。

講義では、エシカル消費とは何かを説明する上で、特に身近でできる取組例を中心にわかりやすく説明されました。
主な要点は次のとおり。
●エシカル消費は、①環境に配慮した消費、②人や社会に配慮した消費、③地域に配慮した消費に大きく三分類される
①環境配慮の例:グリーン購入(製品やサービスを購入する前に必要性をよく考え、環境負荷ができるだけ少ないものを選んで購入すること)、エコマーク付き製品やオーガニック製品の購入、食品ロスの削減(使い切れる分だけ買う、食べる分だけ調理する、小分け・下処理して冷凍保存、売場の棚の食品は手前から取って販売期限切れ廃棄を減らす「てまえどり運動」)
②社会配慮の例:フェアトレード(途上国の生産者に公正な賃金や労働条件を保証した価格で商品を取引すること)製品の購入、障がい者の就労支援につながる製品の購入、社会貢献活動につながる寄付付き製品などの購入
③地域配慮の例:地産地消、応援消費(被災地支援の製品購入など)、伝統技術を未来につなげる伝統工芸品の購入など

●エシカル消費を実行に移すことは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「つくる責任、つかう責任」に貢献するだけでなく、目標1「貧困をなくそう」、目標10「人や国の不平等をなくそう)、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」などにも広く関わっている

講義の中で特に印象に残ったのは、エシカルな商品の一例に、「笹巻き(ちまき)」が挙げられていたこと。
ささやかな地元の伝統食に、地域の食材(熊笹、米粉、いぐさ)を活用【地域配慮】、笹の葉の殺菌効果を利用【環境配慮】、
究極の簡易包装【環境配慮】、地域活性化に貢献【人・社会配慮】というエシカル消費の基本要素が揃っていることに
気づかされました。
人間は生きていく上で消費から逃れることはできず、ゆえに消費行動を通じて世界に大きな影響を与え得ます。
自分の欲望を充足するための消費から一歩踏み出し、「いつ、どこで、誰が、どうやって作ったか」という生産背景まで
考慮した消費行動を心がけるようになれば、社会問題の解決に大きく貢献することになると考えられます。

(記:くにびきエコクラブ 藤井礼子)

島根県消費者センターから招いた講師(空岡航平さん)

勉強会風景

エシカル消費例A:ちまき(地域食材、天然殺菌、簡易包装、地域活性)

エシカル消費例B:認証マーク付コーヒー(途上国労働者支援、環境配慮)

エシカル消費例C:障がい者製造のエコ商品(障がい者支援、環境配慮)